志望理由書・提出書類 比較
総合型選抜に向いている人の特徴を15項目で自己点検する手順
総合型選抜は書類と面接で意欲や適性を確かめる入試方法です。出願前に、自分の記録がどれだけあるかを7つの軸で確かめる手順を紹介します。
BRIEF この記事で終わること
学力の三要素と7つの軸で自分の記録を洗い出し、次にする作業が決まった状態になっている。
| 記事の型 | 比較 |
|---|---|
| 所要時間 | 60分 |
| 必要なもの | 筆記用具、AIチャット1つ、学校の募集要項 |
| 手元に残るもの | 記入済みの総合型選抜向き不向き自己点検シート |
| 配布素材 | 総合型選抜 向き不向き自己点検シート |
| 参照した資料 | 2件(記事末に一覧) |
総合型選抜が向くかは3つの記録の有無で仮に判断できます
総合型選抜は、詳細な書類審査と時間をかけた面接を組み合わせて、志望理由や意欲を評価する入試方法です。向き不向きは「学力の三要素」の記録が今どれだけ手元にあるかで、ある程度まで仮判定できます。文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付通知)第1では、大学入学者選抜が重視する力として「学力の三要素」を、知識・技能、思考力・判断力・表現力等、主体性を持ち多様な人々と協働しつつ学習する態度の3つに整理しています。総合型選抜は、この3つのうち特に後の2つを、書類と面接で確かめる入試方法です。この記事では、自分の記録を洗い出し、7つの軸で比較し、AIと一緒に足りない言葉を補い、チェック表で次の作業を決める、という4つの手順を紹介します。
ステップ1 学力の三要素で自分の記録を書き出す
ここでは、3つの力それぞれについて、今持っている記録を書き出します。手を止めず、思いつくまま書くところから始めます。
- 知識・技能: 定期テストの成績、検定・資格の取得歴
- 思考力・判断力・表現力等: 探究活動で課題を見つけ、調べ、発表した経験
- 主体性・協働する態度: 部活動や委員会、地域活動で人と一緒に取り組んだ経験
同実施要項の第1では、②の力を「知識・技能を活用して、自ら課題を発見し、その解決に向けて探究し、成果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力」と説明しています。探究活動の記録がある人は、この②の力を書類に落とし込みやすくなります。記録が少ない場合は、次のステップで足りない部分が見えてきます。
ステップ2 向いている人・向いていない人を7つの軸で比較する
総合型選抜は、一般選抜とは異なる観点や方法で評価する入試方法だと、実施要項の第3で説明されています。次の7つの軸で、自分がどちらに近いかを確かめます。
| 軸 | 向いている状態の目安 | 慎重に考えたい状態の目安 |
|---|---|---|
| 出願の動機 | 志望理由を自分の言葉で言える | まだ理由が思いつかない |
| 活動の記録 | 探究や部活動などの記録が残っている | 記録をほとんど残していない |
| 探究のプロセス | 課題を見つけ調べ発表した経験がある | まとまった探究をした経験がない |
| 面接での言語化 | 聞かれたことをその場で言葉に組み立てられる | 話すことに強い苦手意識がある |
| 学力面の対策時間 | 小論文や共通テスト対策に充てる時間がある | 学力検査対策の時間が取りにくい |
| 志望分野への意欲 | 学びたい分野がある程度絞れている | 分野がまだ絞れていない |
| 出願までの準備期間 | 願書受付までに書類を仕上げる見通しがある | 準備にまだ取りかかれていない |
一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法。
同じ第3の1(2)には、志願者本人が記載する活動報告書・大学入学希望理由書・学修計画書などの資料を評価に活用することや、志望する学問分野への意欲や適性に係る面接を行うことも定められています。7つの軸のうち「活動の記録」「面接での言語化」は、この2点に対応する項目です。
ステップ3 AIと一緒に足りない記録を言葉にする
ステップ1・2で「向いている状態」に印が付かなかった軸は、AIに壁打ち相手になってもらい、記録を言葉にする作業から始める選択肢があります。
次のプロンプトは、そのままコピーして使えます。
高校の探究活動で次のことをしました。 ・テーマ: ・調べた方法: ・分かったこと: ・次にやりたいこと: この内容を、大学入学希望理由書に書ける文章の候補を3つ、それぞれ80字程度で作ってください。
出力された3つの候補は、そのまま提出しない前提で扱います。自分が実際にやったことと違う表現や、体験していない成果が混ざっていないかを1文ずつ確かめ、事実に合わせて書き直してから使う手順になります。
ステップ4 チェック表で数えて次の一歩を決める
配布素材のチェックシートは、学力の三要素・必ず評価される3つの資料・7つの軸を、番号を付けて15項目に整理したものです。印の数を数え、半分に届かない軸がある場合は、志望理由書の下書きやAIとの壁打ちなど、記録を増やす作業から始める選択肢があります。
総合型選抜 向き不向き自己点検シート
sougogata-senbatsu-mukifumuki-check-sheet.mdMarkdown4ステップ・記入欄15項目以上
この診断で分かること・分からないこと
このチェックシートは、記録の有無を確かめるためのものです。合否の見通しや、どの入試方式を選ぶべきかの判断は含んでいません。最終的な選択は、募集要項と学校の進路指導を確認した上で決める事柄になります。
総合型選抜は大学ごとに評価の重み付けが異なります。同じ7つの軸でも、大学によって評価される比重は変わるため、志望大学の募集要項を確認する作業が別途必要になります。
実施要項の第4では、総合型選抜の入学願書受付を9月1日以降とし、判定結果を11月1日以降に発表することが定められています。願書受付の開始までに残っている時間で、記録を書き出す作業から先に進めておく選択肢があります。学力検査を課す大学もあるため、第3の1(2)には、調査書等の出願書類だけでなく、小論文や共通テストなどの評価方法を少なくとも一つ活用することも定められています。書類と面接だけの入試ではない点も、あわせて確かめておくと安心です。
よくある質問
総合型選抜は誰でも出願できますか。
文部科学省の実施要項では、志願者自らの意志で出願できる公募制という性格を持つと説明されています。ただし出願資格は大学ごとの募集要項に定められているため、確認が必要です。
総合型選抜に学力検査はありませんか。
実施要項では、調査書等の出願書類だけでなく、小論文や大学入学共通テストなどの評価方法を少なくとも一つ必ず活用すると定められています。学力を測る要素はゼロではありません。
向いていないと感じたらどうすればいいですか。
一般選抜や学校推薦型選抜など、他の入試方法も実施要項に定められています。担任の先生や募集要項で確認する選択肢があります。
LIMITS この手順で解けないこと
- この診断は合否の見通しや、出願すべき入試方式を判定するものではありません。
- 大学ごとの評価の重み付けの違いまでは分かりません。募集要項の確認が別途必要です。
- 面接や小論文の実際の出来を測る診断ではありません。練習は別の手順で行う事柄です。
できることだけを並べても判断は早くなりません。扱えない範囲を先に出しています。
参照した資料
資料 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け8文科高第318号高等教育局長通知) (第1基本方針(学力の三要素)、第3入試方法1(2)総合型選抜、第4試験期日等4(総合型選抜の願書受付・判定結果の発表日)を確認)
資料 文部科学省「入学者選抜実施要項」一覧ページ (年度別の大学入学者選抜実施要項の公表状況を確認)

