探究の進め方 手順とテンプレ
探究レポートの書き方をAIと考える章立て作成手順
探究レポートは思いついた順に書くと散らかります。4つの章に分けて骨組みを先に作ると、書く順番に迷わなくなります。
BRIEF この記事で終わること
探究レポートの4章分の骨組みが書き上がり、AIにチェックしてもらった下書きが手元にある状態
| 記事の型 | 手順とテンプレ |
|---|---|
| 所要時間 | 90分(骨組み作成とAIチェックに分けて2回でも可) |
| 必要なもの | 筆記用具、AIチャット1つ、調べた資料と出典のメモ |
| 手元に残るもの | 4章の記入例入りの探究レポート構成シート(記入済み) |
| 配布素材 | 探究レポート構成シート |
| 参照した資料 | 2件(記事末に一覧) |
結論:探究レポートは「型」に沿って骨組みから書く
探究レポートは、思いついた順に書くと文章がまとまりません。まず「課題の設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現」という探究の4段階に沿って骨組みを作り、それから肉付けする順番だと迷いにくくなります。この4段階は、文部科学省の高等学校学習指導要領解説「総合的な探究の時間編」(平成30年7月)が示す探究のプロセスに基づいています。AIは、この骨組みが崩れていないかを一緒に確認してくれる相手として使うと役立ちます。ただし、AIが書いた文章をそのまま提出することは推奨しません。
ステップ1 探究のプロセスで章立てを書き出す
ここでは、レポート全体の骨組みを4つの章に分けて書き出します。文章はまだ書かず、各章に何を書くかだけを決める作業です。
同解説書p.12では、探究における学習の姿を「①課題の設定②情報の収集③整理・分析④まとめ・表現」という4つの活動が発展的に繰り返されるものとして説明しています。この順番をそのままレポートの章立てに当てはめると、次のような目安になります。
| 章 | この章で書くこと | 分量の目安 |
|---|---|---|
| 課題の設定 | 探究の問いと、その問いを選んだ理由 | 400字前後 |
| 情報の収集 | 調べた資料の内容と出典 | 600字前後 |
| 整理・分析 | 集めた情報から読み取れたこと | 800字前後 |
| まとめ・表現 | 結論と、今回の探究で残った課題 | 600字前後 |
分量に迷ったら「整理・分析」を一番厚くすると、レポート全体の説得力が上がります。同解説書p.6は、探究のプロセスの中でも「整理・分析」「まとめ・表現」への取組が十分ではないという課題を指摘しています。ここを薄く書いてしまう生徒が多いという裏返しでもあります。
配布素材の「探究レポート構成シート」を使うと、この4章を表と記入欄に沿って埋めるだけで骨組みが完成します。
探究レポート構成シート
tankyu-report-kousei-sheet.mdMarkdown4ステップ・記入欄20以上
ステップ2 AIに章立てをチェックしてもらう
骨組みができたら、AIに読んでもらい、ずれや偏りを指摘してもらいます。次のプロンプトをそのままコピーして使えます。
あなたは高校の探究学習に詳しい編集者です。
以下の「探究レポートの骨組み」を読んで、次の3点だけを指摘してください。
1. 課題の設定と、まとめ・表現の内容がずれていないか
2. 各章の分量バランスに偏りがないか
3. 出典が書かれていない主張がないか
【骨組み】
テーマ:(ここに探究テーマ)
課題の設定:(ここに問いと理由)
情報の収集:(ここに調べた資料名)
整理・分析:(ここに分かったこと)
まとめ・表現:(ここに結論と残った課題)AIの指摘は「気づき」であって「正解」ではありません。指摘のうち納得できたものだけを直し、根拠が曖昧な指摘は自分で資料に戻って確かめてください。
ステップ3 各章を自分の言葉で埋める
章立てが固まったら、AIに下書きを作らせることもできます。ただし、AIの出力をそのまま貼り付けて終わりにはしないでください。
文部科学省の生成AI利用ガイドライン(令和6年12月26日Ver.2.0)は、レポート等の課題への向き合い方として、次のような工夫を挙げています。
自らの作った文章を基に生成AIに修正させたものを「たたき台」として、何度も自分で推敲し、より良い自分らしい文章として整えた過程・結果をワープロソフトの校閲機能を使って提出させることも考えられる。
つまり、AIに直させる文章の元は自分で書き、AIの出力はあくまで下書きの1回分として扱う、という順番です。直し方の手順は次のとおりです。
- まず自分の言葉で各章を書く(うまくなくてよい)
- AIに「分かりにくい箇所」だけを指摘させる
- 指摘された箇所を自分の言葉で書き直す
- 使った資料名・調べた日付を各章に明記する
同ガイドラインは、生成AIを用いた際にはツール名・入力したプロンプト・出力・日付等を明記させることも工夫例として挙げています。レポートの末尾に「使用したAIツール名」「使った箇所」を一言添えておくと、後から確認しやすくなります。
各種コンクールの作品やレポート・小論文について、生成AIの出力をほぼそのまま自己の成果物として提出することは、同ガイドライン(p.18)が不適切な例として挙げています。AIの下書きは、自分の言葉に直してから提出してください。
ステップ4 提出前に確かめること
提出前に、次の3点を自分で確認します。
- 課題の設定に書いた問いと、まとめ・表現の結論が対応しているか
- 数値や固有名詞を書いた文には、出典を書いているか
- AIに直させた箇所を、自分の言葉で書き直したか
学校によって生成AIの利用可否や条件は異なります。
提出前に、担任の先生や探究の担当の先生に、AIを使ってよい範囲を確認しておくと安心です。
配布素材の使い方
「探究レポート構成シート」は、ステップ1〜4の記入欄をそのまま印刷して使える様式です。表に記入例を1行入れているので、空欄だけを見て手が止まることはありません。AIとのチェックのやりとりを記録する欄もあるので、直した点だけをメモしておくと、ステップ4の確認がしやすくなります。
よくある質問
探究レポートは何文字くらい書けばいいですか?
学校の指定文字数に従うのが基本です。指定がない場合は、4章(課題の設定・情報の収集・整理分析・まとめ表現)に、記事内の分量目安を参考に配分すると迷いにくくなります。
AIに書いてもらったレポートをそのまま提出してもいいですか?
推奨できません。文部科学省の生成AI利用ガイドラインも、AIの出力をほぼそのまま成果物として提出することを不適切な例として挙げています。AIの下書きは自分の言葉に書き直してから提出してください。
LIMITS この手順で解けないこと
- 探究テーマそのものの決め方は、この記事の範囲外です。
- レポートの評価基準や採点方法は学校ごとに異なるため、ここでは扱っていません。
- AIの指摘や出力の正確性は保証できません。出典は自分で確かめる必要があります。
できることだけを並べても判断は早くなりません。扱えない範囲を先に出しています。
参照した資料
資料 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総合的な探究の時間編」 (平成30年7月発行。p.6・p.12の探究のプロセス(課題の設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現)の記述を参照)
資料 文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン Ver.2.0」 (令和6年12月26日発行。p.18・p.20 Box-5・Box-6のレポート等の課題に関する留意事項を参照)


