ツールの選び方 比較
探究学習の作業ごとに使うAIツールを比較して選ぶ手順とワークシート
AIツールは種類によって向いている探究の工程が違います。工程ごとの向き不向きを比較して、今週使うツールを1つ選ぶところから始めます。
BRIEF この記事で終わること
今週の探究作業に合うAIツールの型を1つ選び、使った記録を選定シートに書き終えている状態
| 記事の型 | 比較 |
|---|---|
| 所要時間 | 45分 |
| 必要なもの | 筆記用具、使い慣れたAIチャット1つ、学校のAI利用ルール(分かる範囲で) |
| 手元に残るもの | 記入済みの工程別AIツール選定シート1枚 |
| 配布素材 | 探究 作業別AIツール選定シート |
| 参照した資料 | 1件(記事末に一覧) |
探究の工程とAIツールの向き不向き(比較表)
探究学習は「問いを言葉にする」「調べる・裏取りする」「スライド・発表原稿の下書きをする」「振り返る」という工程に分けられます。工程によって、向いているAIツールの型は変わります。ツールを1つに決めつけず、工程ごとに使い分ける方法があります。
| ツールの型 | 向いている工程 | 出典の示し方 | 学校での使いやすさ |
|---|---|---|---|
| 汎用対話型AI(ChatGPT・Gemini・Claudeなど) | 問いを広げる壁打ち、構成のたたき台作り | 出典を示さない回答が多く、自分で裏取りが必要です | 学校側の利用可否を先に確認する必要があります |
| 学校配布の学習支援ソフトに内蔵されたAI機能 | 授業の課題形式に沿った下書き | 教材の範囲に出典が限られることが多いです | 学校のアカウントに紐づき、管理されています |
| AIを使わない検索・図書館データベース | 調べる・裏取りの最終確認 | 一次資料に直接たどり着けます | ガイドライン上の制約は特にありません |
文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン Ver.2.0」(p.17〜19)には、ブラウザや学習支援ソフト、検索エンジンに組み込まれた生成AIサービスについても、教師の指導監督のもとで利活用を検討する考え方が示されています。
ステップ1 今週の工程を1つ決める
ここでは、今週の探究作業がどの工程にあたるかを1つ選びます。複数の工程を同時に進めず、1つに絞ります。工程を1つに絞ることで、AIチャットに渡す質問も具体的になります。
- 探究のテーマと、今週やる作業を紙に書き出します
- 上の比較表の4つの工程(問いを言葉にする/調べる・裏取り/スライド下書き/振り返り)のどれに当たるか選びます
- 迷ったときは、提出物の締め切りに一番近い工程を選びます
ステップ2 工程に合うツールの型を選ぶ
比較表を見て、選んだ工程に合うツールの型を決めます。調べる・裏取りの工程では、AIを使わない検索や図書館データベースを先に使う方法があります。対話型AIは出典を示さないことが多いため、裏取りが必要な工程では別の型と組み合わせる方法があります。
ステップ3 出力をそのまま使わずに直す
AIチャットにプロンプトを渡すときは、次のような形が使えます。
- 探究テーマ「〇〇」について、まだ考えていない切り口を3つ挙げてください
- それぞれの理由も教えてください
- 答えを断定せず、選択肢として示してください
この出力をそのまま提出せず、次の手順で直します。
- 3つの案のうち、自分が一番調べたいものを選びます
- なぜその案を選んだかを、自分の言葉で書き直します
- 出力に含まれる数値や固有名詞は、別の資料で裏取りします
- 使ったAIツールの名称・入力した内容・日付を記録に残します
氏名・写真・住所などの個人情報は、AIチャットへの入力に含めない方法があります(同ガイドラインp.19)。学校のアカウントで使う場合は、学校の教育情報セキュリティの方針に沿って利用します。
ステップ4 提出前に記録を残す
自らの作った文章を基に生成AIに修正させたものを「たたき台」として、何度も自分で推敲し、より良い自分らしい文章として整えた過程・結果をワープロソフトの校閲機能を使って提出させることも考えられる。
AIに書かせるのではなく、AIと一緒に自分の言葉を作るという使い方です。使ったツールの名称・入力した内容・出力の直し方・出典を記録に残しておくと、提出時にそのまま添付できます。
配布素材の使い方
工程ごとに使うツールを選び、使った記録を1枚に残すためのワークシートです。今週の工程を決めるところから、提出前の確認までをこの1枚で追えます。
探究 作業別AIツール選定シート
tankyu-sagyobetsu-ai-tool-erabi-sheet.mdMarkdown4ステップ・記入欄30以上
よくある質問
無料のAIチャットは探究学習にどこまで使えますか。
多くの対話型AIは基本的な機能を無料の範囲で試せますが、使える範囲や上限は各社で異なります。使う前に学校や家庭のルールと合わせて確認する方法があります。
学校配布の端末と、家庭のスマホで使えるAIは同じですか。
学校の学習支援ソフトに内蔵されたAI機能は学校のアカウントに紐づいていることが多く、家庭のスマホからは使えない場合があります。使える範囲は学校に確認する方法があります。
LIMITS この手順で解けないこと
- 学校がAIの利用をどこまで認めているかは学校ごとに違うため、この記事だけでは判断できません。
- コンクール応募やレポートにAIの出力をそのまま使ってよいかは、各校・各コンクールの規定を個別に確認する必要があります。
- 有料版の機能差や料金プランの細かな比較まではしていません。
できることだけを並べても判断は早くなりません。扱えない範囲を先に出しています。
参照した資料
資料 文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン Ver.2.0」 (令和6年12月26日公表。p.17〜19「児童生徒が学習活動で利活用する場面」、p.18 Box-5「学習場面において利活用が考えられる例、不適切と考えられる例」、p.20 Box-6「課題に関する留意事項について」を参照。)

