高校生の探究と進路のAIガイド

志望理由書・提出書類 手順とテンプレ

志望理由書の例文を学部×字数別に作る手順

志望理由書は学部によって重視される視点が変わります。経済・工学・国際・文学・法学の5学部を例に、600字と800字それぞれで書く材料の選び方とAIの使い方を手順にしました。

BRIEF この記事で終わること

志望学部の視点に合わせた志望理由書の材料が、600字版と800字版それぞれでワークシートに書き出せている状態

記事の型 手順とテンプレ
所要時間 90分
必要なもの 筆記用具、AIチャット1つ、志望学部のアドミッション・ポリシー
手元に残るもの 学部別視点表と600字・800字の材料欄が入ったワークシート
配布素材 学部別 志望理由書ことば差し替えワークシート
参照した資料 2件(記事末に一覧)

学部で何が変わるか

志望理由書は、学部が変わっても骨格は同じです。学部ごとに重視される視点を材料に反映させると、同じ骨格でも伝わり方が変わります

大学入学希望理由書や修学計画書を活用する際には、各大学が、学部等の教育内容を踏まえ、入学志願者に対し、入学希望理由や入学後に学びたい内容・計画、大学卒業後を見据えた目標等を記載させる。

引用文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」令和8年5月27日付け8文科高第318号p.7 第6の5(2)

この規定が示す要素は、入学理由・学びたいこと・卒業後の目標の3つです。学部によって変わるのは、この3つをどんな視点で語るかという部分です。この記事では、経済・工学・国際・文学・法学の5学部を例に、600字版と800字版で材料を選ぶ手順をまとめました。

ステップ1 志望学部の「見る視点」を書き出す

ここでは、志望学部が物事をどんな視点で捉えるかを書き出します。学部の視点は、大学が公表しているアドミッション・ポリシーに書かれています。5学部の一般的な傾向を、下の表に整理しました。

学部重視されやすい視点使われやすい動詞注意点
経済学部社会の出来事を数字や仕組みで捉える視点分析する・比較する抽象的な社会問題の説明だけで終わらせない
工学部課題を仕組みや技術で解決する視点設計する・検証する技術用語は正しい意味で使う
国際学部複数の立場や文化を比べる視点比較する・橋渡しする一つの国や地域の事例だけに偏らない
文学部文章や表現を丁寧に読み解く視点読み解く・解釈する好きという感想だけで終わらせない
法学部利害やルールを調整する視点調整する・検討する良い悪いの断定で終わらせない

この表は一般的な傾向で、大学ごとの正式な評価基準ではありません。志望校のアドミッション・ポリシーは、大学の入試サイトで個別に確認します。

学部を変えると同じ経験の書き方がどう変わる

同じ経験でも、学部の視点に合わせて動詞や着眼点を変えると、伝わり方が変わります。次の表は、高校の探究活動で地域のデータを調べた経験を例に、学部別の書き方の型を示したものです。

学部書き方の型の例
経済学部地域商店街の来客数データを集計し、曜日ごとの変動の要因を数字で比較した。
工学部来客数の変動データをもとに、混雑を減らす案内表示の仕組みを検討した。
国際学部来客数の変動と、近隣を訪れる外国人観光客の動きとの関係を比べて調べた。
文学部商店主への聞き取りを文章にまとめ、語られ方の違いを読み解いた。
法学部商店街の営業時間ルールが来客数にどう影響するかを調べた。

この表の文は型の例です。自分の経験をそのまま当てはめるのではなく、実際に取り組んだ内容に置き換えて使います。

ステップ2 800字と600字で残す要素を選ぶ

ここでは、字数によって要素の残し方を変えます。800字は400字詰め原稿用紙2枚分、600字は1枚半程度にあたります。分量が変わるほど、書き込める要素の数も変わります。800字と600字で同じ4つの要素を同じ分量で書こうとすると、600字側で説明が足りなくなります。要素ごとの扱いを、次のように分けます。

要素800字版600字版
学部を選んだきっかけ具体的なきっかけを2〜3文で書くきっかけを1文に絞る
高校での取り組み取り組みと学部の視点のつながりを書く取り組み名だけ書く
学部の視点で見た関心具体例を1つ添える具体例は省く
入学後に学びたいこと学びたい内容と方法を分けて書く学びたい内容だけ書く
卒業後の目標目標と学びのつながりを書く目標を1文で書く

800字から600字に削るときは、具体例と説明の順に削り、要素そのものは残します。具体例を最初に削るのは、要素の骨格を残した方が、大学が知りたい「入学理由・学びたいこと・目標」の3つが欠けにくいためです。要素を丸ごと削ると、このどれかが抜け落ちてしまいます。

志望学部がまだ決まっていない場合はどうしますか。
読者
この手順は学部が決まっている前提で書いています。決まっていない場合は、先に学部の候補を絞る作業から始めます。
タネ

ステップ3 AIに下書きを作らせて学部の言葉に直す

ここでは、ステップ1と2で書いた材料をAIに渡して下書きを作ります。次のプロンプトをそのままコピーして使います。

AIに聞く〔 〕を自分の内容に置き換えて使います
あなたは高校生の志望理由書づくりを手伝う編集者です。次の材料をもとに、[学部名]志望の志望理由書の下書きを[600字/800字]程度で作成してください。
- 学部を選んだきっかけ: [材料を書く]
- 高校での取り組み: [材料を書く]
- 学部の視点で見た関心: [材料を書く]
- 入学後に学びたいこと: [材料を書く]
- 卒業後の目標: [材料を書く]
断定的な言い切りや、書いていない実績の追加はしないでください。

AIが返した下書きは、そのままでは提出できません。第一に、AIが書き加えた数値や固有名詞を、自分が確認した事実に置き換えます。第二に、体験の描写を自分の言葉に書き直します。第三に、ステップ1の視点表と照らし合わせ、動詞が学部の視点に合っているかを確認します。経済学部志望なのに感想止まりの動詞のままでは、視点が伝わりにくくなります。第四に、文字数を数えて、ステップ2の表に沿って要素を削ります。

AIの下書きをそのまま提出しない

AIが作った下書きには、書いていない実績や誇張された表現が混ざることがあります。提出前に、自分が実際に行ったことと照らし合わせて確認します。

配布ワークシートで材料を整理する

学部別 志望理由書ことば差し替えワークシート

gakubu-jisuubetsu-shiboriyuusho-sashikae-worksheet.mdMarkdown4ステップ・記入欄25

上のワークシートには、学部別の視点表、600字・800字それぞれの材料を書き込む欄、削る優先順位を決めるチェック欄を用意しました。記入例を入れているので、空欄のまま迷う場合は記入例を参考にします。

よくある質問

800字と600字、どちらを先に書けばいいですか。

先に800字版を書き、そこから字数に合わせて要素を削ると、大事な要素の抜け落ちを防ぎやすくなります。600字だけを先に書く場合は、後で800字に増やす際に材料が足りなくなることがあります。

AIが作った例文をそのまま提出してもいいですか。

AIの下書きには書いていない実績や誇張された表現が混ざることがあるため、自分の体験と照らし合わせて書き直してから提出する手順になります。

LIMITS この手順で解けないこと

  • 特定の大学・学部の合格基準やアドミッション・ポリシーの詳細までは示していません。
  • 志望学部が決まっていない場合の学部の選び方は扱っていません。
  • 面接での受け答えや小論文の書き方については、この記事の手順の対象外です。

できることだけを並べても判断は早くなりません。扱えない範囲を先に出しています。

References

参照した資料

資料 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」 (令和8年5月27日付け8文科高第318号。大学入学希望理由書に記載させる内容についての規定はp.7 第6の5(2)。)

資料 文部科学省「入学者選抜実施要項」ページ (実施要項本体および調査書・推薦書等の様式一覧を掲載。)

#志望理由書#例文#学部別#字数別#高校生

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